こんにちは、ママFPくみこです。
前回のブログ『今更聞けない!?投資信託のキホン教えちゃいます』で
投資信託をマスターしたママたち。
今回はその投資信託を使ってお得に運用できる
「NISA(ニーサ)」について、詳しくご紹介したいと思います。
ぜひこの機会に始めてみませんか♪
【NISA(ニーサ)とは】*少額投資非課税制度
「貯蓄から投資へ」をテーマに2014年から始まった個人投資家向けの非課税制度。
2024年からは「新NISA」スタートも決定しており、今とても注目されている“お得制度“です。
現行「一般NISA」「つみたてNISA」「ジュニアNISA」の3種類あり、
それぞれに投資限度額、投資期間が異なります。
では、詳しくみてみましょう!
[★1★] NISAのお得ポイント、それは税金!
投資信託など運用商品を購入し、「売却益」や「配当金」など
利益を受け取ったとき、いつもなら20.315%の税金がかかります。
(実はこれ、定期預金などで利息を受け取る際にも
同じように約20%の税金がかかっているんですよ。
低金利の上に、約2割もの税金を取られるなんて…。本当に切ないですよね。涙)
ですが、NISA口座を利用して投資していれば、株や投資信託の運用益に対して
全額非課税になります! とてもお得ですよね。
例えば、
「つみたてNISA*」を使って、20年間・毎月2万円ずつ投資信託の購入を続けたとします。
(*「つみたてNISA」については、後で詳しく説明します)
すると20年後には、
[(2万円×12ヶ月)×20年間 ]で 480万円投資したことになります。
20年間での運用成果が約20%* あったと仮定した場合、
(*今回は計算しやすいように20%としましたが、
市場動向や購入する商品によって運用成果は異なります)
積立投資した480万円は 20年後580万円に。
課税口座であれば、これを売却すると
売却益100万円に対し約20%、つまり約20万円を税金として支払います。
でも、「つみたてNISA」で運用し売却すれば、全額非課税で受け取ることができるんです。
この差、なんと約20万円!!
あらかじめNISA口座で運用しておくだけで、こんなにお得なんです。
運用するなら、これを使わない手はないですよね^^
(運用成果は、事例をわかりやすくするための仮定です)
[★2★] NISAで運用できる商品
上場株式(外国株式・ETF・REIT含)、株式投資信託などに限定されています。
債券、FX、金、プラチナといった投資は対象外です。
*つみたてNISAは「一定の要件をすべて満たした株式投資信託、ETF」のみが対象です。
難しく書きましたが、
前回のブログで紹介した「投資信託」がこのNISAの対象になります。
運用初心者ママなら
まず「投資信託」でNISA口座を利用するのがわかりやすいので、是非トライしてみてくださいね。
[★3★] まずはNISA専用口座の開設が必要
生活用口座となっている馴染みの銀行、
投資信託だけでなく株式等多数商品を取り揃えているネット証券など
好きな銀行・証券会社で開設することができます。
手続きは窓口だけでなくインターネットでも可能なところがほとんどで、
「普通預金口座」、「投資信託口座」の開設が条件となっている金融機関が一般的です。
必要な書類は
「本人確認資料」、「マイナンバー確認資料」。
通常は開設手続き後、金融機関から税務署への申請・確認処理が必要な為、
実際「NISA口座」利用を開始できるまでに、約1ヶ月程度かかるのがフツウの流れです。
口座開設だけでも早めにスタートさせておくのが安心ですね。
【NISA口座の簡易開設・即日買付】
急いでNISAを始めたい!という人のために、
「NISA口座の簡易開設・即日買付」が2019年より出来るようになりました。
これを利用するためには
- 受付可能な【期間・時間・店舗】
- 購入可能商品
が金融機関ごとに決まっており、その条件のもとでないと手続きができないので注意が必要ですが、
初めてNISA口座を開設する人ならこの方法での手続きが可能です。
このように、NISAの口座開設方法も、利便性向上のためどんどん進化しています。
ぜひ、ママに合った方法で手続きしてみてくださいね。
[★4★] 「一般NISA」とは
2014年、日本で最初にスタートした個人投資家向け税制優遇制度で、
「NISA」または「一般NISA」といいます。
当初の内容から少しずつ改良がなされ、現在の制度になっています。
まとまった資金で運用したい方、幅広い商品の中から選びたい方に最適です。
対象者 :日本在住の20歳以上なら誰でもOK
対象商品 :投資信託だけでなく、株式などもOK
非課税投資枠:120万円/年
非課税期間 :最長5年
投資可能期間:2023年まで(2024年から「新NISA」へ変わります)
[★5★] 「つみたてNISA」とは
2018年からスタートした積立版NISA。
非課税で投資できる限度額は「一般NISA」よりも少額になりますが、
子どもの教育資金や老後資金など
将来のためにコツコツと貯めていく長期積立運用にとても適しています。
また投資できる対象商品は、あらかじめ金融庁が選び抜いた
低コストで長期積立に適した投資信託に限定されているので、
投資初心者にとって始めやすいのもポイントです。
対象者 :日本在住の20歳以上なら誰でもOK
対象商品 :一定条件を満たした投資信託のみに限定
非課税投資枠:40万円/年
非課税期間 :最長20年
投資可能期間:2037年まで
[★6★] 「ジュニアNISA」とは
2016年にスタートした、未成年者対象のNISA制度です。
18歳までは払出しに制限があり、20歳をすぎれば自動的にNISA口座が開設されます。
子どもの将来に備えて資金準備をしておきたい方に適していますが、
2023年に制度の終了が決まっています。
対象者 :日本在住の0~19歳
対象商品 :「一般NISA」同様、投資信託だけでなく株式などもOK
非課税投資枠:80万円/年
非課税期間 :最長5年
投資可能期間:2023年まで
<<制度の比較>>
*ロールオーバーについては後ほど詳しく説明します。
[★7★] 取扱金融機関の変更がしたい場合(一般NISA・つみたてNISA)
すべての金融機関のうち、その年にNISA口座を利用できるのはひとり1口座。
途中で金融機関を変更したければ、手続きが必要になります。
さらに、変更希望年内にNISA口座を利用しているかどうかで
手続きできる時期が異なります。
(*「一般NISA」と「つみたてNISA」の区分変更をする場合も以下説明と同様です。)
例えば2020年に別の金融機関に変更したい場合
(1)2020年分のNISA枠をまだ利用していいない
⇒2020年9月までに変更申出をすることで年内の口座変更が可能
(2)2020年分のNISA枠をすでに利用している
⇒2020年内の変更はもうできないので、2020年10月から変更申出をすることで、2021年分からの変更ができる
変更手続きする場合、
現在NISA口座を保有している金融機関と、今後変更したい新しい金融機関
両方での手続きが必要となります。
変更手続き自体は難しくありませんが、手間と管理のことを考えると、
最初の金融機関選びは慎重に行った方が良いですね。
*「ジュニアNISA」の金融機関変更はできません。
[★8★] 非課税期間終了後の対応方法(一般NISA)
「一般NISA」で商品を保有できる期間は、最長5年間です。
その間に売却せず非課税期間の終了を迎えてしまった場合には、2種類方法があります。
●NISA口座から、通常の課税口座に移管
(課税口座への移管後に売却すると、利益に対して約20%課税されます)
●NISA口座内の6年目の新たな投資枠に移す
(これをロールオーバーといい、新たに5年間の保有可能期間が開始します)
*ロールオーバーした場合、その年の新規投資枠はロールオーバー額分減額されます。
*ロールオーバーは、他金融機関にNISA口座を変更している場合には利用できません。
*つみたてNISAはもともと保有期間が長期に設定されているため、ロールオーバーは不可となっています。
*ジュニアNISAは2023年に制度終了するため、今後投資する枠に対してのロールオーバーはできません。
ロールオーバーを選択する場合、
●ずっと損失が出ていて、売却するタイミングがなかった
●さらなる値上がりが期待できるので、このまま経過をみたい
●今売却しても使う予定がないので、このまま同じ商品で保有しておきたい
などの理由があげられます。
相場動向、ライフイベントでも変わってくるので、
保有期間満了を迎える前に、今後どのようにするべきか検討する必要があります。
迷った場合は、取引金融機関の担当者等へアドバイスを聞いてみるのもいいかもしれませんね。
[★9★] NISAを利用する上での注意点
うまくNISAを利用するためには、今まで紹介した以外にもいくつか注意点があります。
しっかり確認してNISAマスターになりましょう!
●損失が出ている場合はもともと課税対象にならない為、利益が出ない限り非課税のメリットは享受できません。
⇒利益がでている内に売却しておくか、ロールオーバーを活用して利益がでるのを待ちましょう。
●「一般NISA」と「つみたてNISA」を同じ年に併用はできません。
⇒必要であれば、区分変更を活用して希望の投資方法に切替えましょう。
●その年の投資枠の再利用・翌年以降への繰り越しはできません。
⇒計画的に投資をしていきましょう。
●1度購入した商品を「課税口座」・「一般NISA」・「つみたてNISA」間で移管することはできません。
●取扱商品は金融機関ごとに異なります。
⇒希望の投資商品がある場合は、NISA口座開設前に取扱商品をリサーチしましょう。
[★10★] 2024年「新NISA」スタート
2024年から、NISAの制度内容が変わります。
●「一般NISA」 ⇒5年延長され、「新NISA」という2階建ての制度に変更
●「つみたてNISA」⇒5年延長され新規投資が2042年まで可能
●「ジュニアNISA」⇒終了
「新NISA」の2階建てというのは、
1階部分が「つみたてNISA」、2階部分が「一般NISA」と、
2つの制度をミックスさせた内容となっています。
それぞれに投資額や対象商品など条件が決まっているので、
以下の表で確認してみましょう。
2階部分は、いままでの「一般NISA」のように
株式や投資信託など多商品の中から積立や一括での購入が可能です。
しかし、この2階部分で投資する為には、まず1階で20万円分つみたて投資をする必要があります。
しかも対象商品は「つみたてNISA」同様、金融庁から認可の下りた商品限定。
条件を満たせば、1階部分を利用せず2階部分だけに投資することも可能ですが、
その場合、対象商品は株式のみに限定されます。
より多くの人に投資信託の積立や分散投資を経験してもらいたいという背景のもと
今回の改変が決まったようですが、
なんだか分かりにくくなってしまったような気もしますよね…。
しかし、将来の資産形成の為「つみたて運用」をメインとするママ世代にとっては
それほど影響はないようにも思います。
「新NISA」まであと3年あるので、
それまでに現行NISAで少しずつ制度の使い方に慣れていきましょう。
【最後に】
NISAについて詳しく見てみましたが、いかがでしたか?
「少し難しいな…」と感じるママもおられるかもしれませんが、
普通なら約20%かかる税金が非課税になるので
投資を始めたい人はNISAの利用がオススメです!
世界に目を向けると、イギリスには
「NISA」のモデルとなった「ISA(アイサ)」という制度があります。
イギリス成人人口の約42%が利用しており、
今や資産形成手段として広く認知されている制度です。
日本でも「NISA」は今後さらなる拡充が期待されているおり、
自分自身で将来設計をたててお金を増やしていく事が当たり前になっていく時代に突入しています。
ママたちにとって、この制度が将来のお金と向き合うチャンスになれればと思います。
(*投資信託は元本保証ではないので、しっかり理解した上スタートしましょう。
リスクをおさらいしたいママは、前回の『投資信託』のブログを見てくださいね^^)
次回は、『節税しながら賢く運用 第二弾!』
「iDeCo(イデコ)」についてご紹介したいと思います。
お楽しみに♪
ママFPくみこでした。