こんにちは、ママFPくみこです。
前回は様々なデータを用いて「他の人はどうなんだろう」というギモンに迫ってみましたが、
その中での『全年齢での金融資産保有額の平均が1,139万円』という調査結果に驚いたママも多いのではないでしょうか。
子育で世代(30~40歳代)については平均額が約635万円と全体平均の約半分程度ではありますが、
子育てにお金のかかるこの時期にこれだけしっかり貯蓄できるのもすごいですよね。
しかし実際、この貯蓄額で足りるのでしょうか。
■教育資金は、公立でも788万円!?
みなさんは、子どもの教育費がトータルでいくらかかるか、知っていますか?
文部科学省の
「子供の学習費調査(平成30年度)」
「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」
「私立大学等の平成30年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」
のデータをもとに試算すると、
学費は幼稚園~大学まですべて公立を選んだ場合で合計約788万円、
すべて私立を選んだ場合で合計約2,290万円かかります。
子どもの人数や進学プランによってかかる費用は異なってきますが、かなり大きな金額ですよね。
さらに、住宅購入資金やリフォーム、車の買い替え、老後への備えなど、教育費以外にもたっくさんのお金が必要となるライフイベントが将来には待ち受けています。
■誰でも簡単にできるお金の貯め方をお教えします!
これから待ち受けているライフイベントを考えると、ある程度想定して早めから計画的に準備しておく必要があります。
しかし、
「お金を貯めたいけど、何から始めていいかわからない。」
というママも多いはず。
そんなママは、今から紹介する3つのステップから始めてみてくださいね。
【1】まずは目標とする貯蓄額を決めましょう!
教育費の目安
*文部科学省「平成30年度子供の学習費調査」「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」「私立大学等の平成30年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」のデータを元に筆者作成
*幼稚園~中学校までは給食費を含みます。
*幼稚園~高校までは習い事など学校外活動費を含みます。
*大学は昼間部4年間の授業料と入学料で計算。
令和元年10月より「幼児教育・保育の無償化」が開始されていますので、今後は幼稚園の費用負担は減少されます。
しかし、ここ10年で私立小学校・中学校ともに約115%の増額となっておりますので、今後も上昇していく可能性も否めません。
高校については給食がないので別途昼食代を、大学については1人暮らしをする場合仕送り年間平均額は約150万円(月額約12.5万円*1)も加算して考えておく必要があります。
(*1独立行政法人日本学生支援機構「平成30年度学生生活調査結果」より計算)
では、子どもの進学プランを想定してまず予算組みです。
ここではすべて公立へ進学し、大学では1人暮らしをした場合を想定してみます。
幼稚園~大学までの合計788万円+大学4年間の仕送り600万円=1,388万円
ここから、子育て世代の平均貯蓄額である635万円と、中学生まで支給される児童手当の合計198万円を除くと不足分は555万円です。
今回は、この555万円を貯蓄額の目標と仮定します。
【2】目標金額達成のために計画をたてましょう!
上記でもとめた555万円を、子どもが18才(大学入学)までに準備できるように計画した場合、
□5年で貯蓄した場合 …1年あたり約111万円(約9.3万円/月)
□10年で貯蓄した場合…1年あたり約 56万円(約4.6万円/月)
□15年で貯蓄した場合…1年あたり約 37万円(約3.1万円/月)
を積み立てていくことになります。
早めから積立をスタートすることで、毎月の負担額は少なくなることが分かりますよね。
実はこの事に気づけているママたちは、すでに毎月の積立を始めているんです。
では、次からは効率よく積み立てする方法をご紹介します。
【方法1】銀行の自動積立預金、会社の財形貯蓄を利用する
残ったお金を貯蓄に回すのではなく、必ず先取り貯金をすることが重要になります。
そうすることで、
「今月はイベント事があったから…」
「バーゲンで沢山買ってしまったから…」
と言い訳ごとを言ってしまう前に強制的に貯蓄をすることができるので、確実にお金を残すことができます。
さらに上記の方法であれば、一度登録さえすれば毎月自動的に資金が移動されるので手間もかかりません。
【方法2】学資保険を利用する
子どもがまだ小さい内であれば、学資保険に加入しておくのも1つの方法です。
昔と比べて利率が低くメリットは少ないですが、
万が一契約しているパパやママが亡くなってしまった場合には
それ以降の保険料の払込みが免除され、満期までそのまま保障が継続されて
学資金を受け取ることができます。
保険のメリットを享受しながら確実に教育費を確保できるのでオススメです。
デメリットは、満期を待たずに途中解約した場合は解約返戻金が元本を下回ってしまうので、必ず無理のない金額で加入しましょう。
【方法3】つみたて投資に挑戦してみる
今や銀行の預金金利は0.001%。せっかく毎月積立して貯金していても、物価が上昇してしまってはお金の価値は目減りしていきます。
そこで効率よくお金を増やす為に取り入れたいのが、投資初心者向けの「つみたてNISA」。
“貯蓄から投資へ”をテーマに2018年1月から金融庁がスタートした投資信託専用の非課税制度です。
1人1口座開設可能で、毎年40万円の投資を上限に最長20年間利益(分配金・譲渡益)に関して非課税の優遇を受けられます(*通常は利益に対して20%課税されるのでとてもお得です)。
さらに、いきなり投資を始めるのはハードルが高いと感じるママも多いですよね。
ですが、「つみたてNISA」で扱っている商品は
あらかじめ金融庁が選び抜いた低コストで長期積立に適した投資信託に限定されているので、調べる手間も少なく安心して始められます。
また毎月定額投資が原則なので一度口座開設・投信購入手続きをしてしまえばあとは自動で買付けを行ってくれるのであれこれ悩むこともなくどんどん積み立てられます。
実はこれ、「ドルコスト平均法」というリスク分散にもなっているんです!
毎月一定額をコツコツ購入することで、基準価格(投資信託の日々の値段)が安い時には口数を多く購入でき高いときには少ししか購入しなくてすむので、一括購入のように相場動向に一喜一憂せず自動的に平均単価を下げることができます。
元本保証ではないので下落相場が長期化しているタイミングで売却すると損失を伴うという注意点もありますが、長期運用を前提に投資することでしっかり「ドルコスト平均法」のメリットを享受できリスクを抑えることができます。
低金利の続いている今、預金や保険だけでなく投資についても積立の一部からぜひ挑戦したい方法です。
**************
【最後にくみこFP、これだけは伝えたい!】
ここまで「預金」・「保険」・「投資」と、教育費を効率良く貯める3つの積立方法をご紹介してきましたがいかがでしたか?
子どもが成長していくと、
「スポーツをしたい、楽器を購入したい、海外へ留学したい」など
想定していた教育費以上の出費がでてくるもの。
「お金がないから諦めなさい」とは絶対に言いたくないと思うママも多いのではないでしょうか。
子どもがどんな夢をもっても全力で応援できるよう、教育資金はしっかり準備しておく必要があります。
しかし多額な費用を準備するには時間がかかるし、何から始めたらいいのか分からないと不安になるのは当然です。
ですがひとつひとつを紐解いていくと案外簡単なことだったりします!
子育てママたちの一番の強みである『時間』を味方につければ、最小限の負担額で効率的に増やす選択肢は沢山あります。
とにかく早めから準備をスタートさせること、それが大切!!
ママやパパにあった賢い積立方法を活用し、将来に向けて余裕を持った計画をしていきましょう。
以上、ママFPくみこでした。